第１回統合ソフト講習会開催のお知らせ-「RISM/3D-RISM　講習会」

2008年10月14日 会合

日時　平成20年11月6日（木）　10：00～16:00（予定）

場所　愛知県岡崎市・分子科学研究所　研究棟201会議室
　　( http://www.ims.ac.jp/location/koutsu.html )をご参照下さい。

ソフトウェア名　「RISM/3D-RISM」

講師　平田　文男教授（分子研）・吉田　紀生助教（分子研）　研究室HP：http://daisy.ims.ac.jp/

内容
●RISM/3D-RISM とは
　RISM 理論とその拡張である3D-RISM 理論は統計力学に基づく、分子性液体の理論です。簡単に言えば「溶質分子の周りの溶媒の分布(確率）を求める」理論です。その分布確率から溶媒和自由エネルギーや圧縮率、部分モル容積などの種々の物理量を得ることも出来ます。
また、RISM 理論はその特性から完全な統計平均としての溶媒分布を得ることが出来、それらは計算の初期条件に依存しません。RISM 理論では一般的な分子シミュレーションでは予測の難しいタンパク質内部に閉じ込められた溶媒分子の位置も検出することが可能です。これらから次のような応用が考えられます。
・タンパク質やそのミュータントによる分子認識能の予測
・分配係数の算出、予測
・量子化学計算と組み合わせて、化学反応性の予測/解析 など
本講習会ではRISM/3D-RISM理論の基礎から実際にプログラムを使って解析までを体験して頂く予定です。是非ご参加下さい。

●実施概要
午前 RISM/3D-RISM理論の基礎と応用
　前半ではRISM 理論の基本的な考え方の講習を行い、後半はRISM 理論による最新の研究事例を紹介します。
午後 3D-RISM プログラム実習
　実際に3D-RISM による計算と、得られた結果の解析までを体験していただきます。（参加者多数の場合、結果の解析のみになる場合があります。）

●必要な物
1. ノートパソコン　（Windows XP 以降またはMac OSX 10.4 以降搭載、有線LAN 搭載）
2. 解析用ソフト UCSF CHIMERA
下記サイトよりダウンロード(無料)、事前インストールのこと
　　http://www.cgl.ucsf.edu/chimera/
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背景
　私どもは、2006年４月より文部科学省「最先端・高性能汎用スーパーコンピュータの開発利用」プロジェクト（以下、次世代スーパーコンピュータプロジェクト）におけるグランドチャレンジアプリケーション研究開発拠点（ナノ分野）として出発致しました。
　現在開発中の次世代スーパーコンピュータを分子・物質の計算科学のシミュレーションで最大限に活用できるよう、計算科学理論・方法論の確立と、それらに基づくソフトウェアの開発を行っております。これらのソフトウェアは、電子・原子・分子レベルからの精緻な大規模計算に基づいて、ナノスケールの物質で発現する特有の現象・特性を解明し、予測することを可能とします。具体的に「次世代ナノ情報機能・材料」「次世代ナノ生体物質」「次世代エネルギー」の３つのグランドチャレンジ課題を設置し、それぞれの分野の解明にブレイクスルーをもたらす計算科学の飛躍知の発見・発明に繋げていきます。また、研究開発拠点に産学連携体制を構築し、研究成果の産業界への展開を図っております。
　その中で、計算科学の広い裾野を形成することを目的として、その基盤となる統合ソフトの利用講習会をソフトごとに継続的に各地で開催致します。ここでは、講習会資料を用意しながら、基礎となる方法論の講義、ソフトを用いた研究事例の紹介、実際にソフトを用いた計算実習等を行います。
　具体的に、以下の7本のソフトを対象としています。
・QMAS（密度汎関数法、平面波基底による固体の高精度計算）担当：石橋　章司教授（産総研）
・時間依存密度汎関数法　担当：矢花　一浩教授（筑波大）・善甫　康成氏（住友化学（株））
・電気伝導計算　担当：小林　伸彦准教授（筑波大）・広瀬　賢二氏（NEC）
・高並列汎用分子動力学シミュレーションソフト　担当：岡崎　進教授（名大）
・RISM/3D-RISM　担当：平田　文男教授（分子研）・吉田　紀生助教（分子研）
・高速量子化学計算ソフト　担当：永瀬　茂教授（分子研）・北浦　和夫教授（産総研/京大）
・連携ツール（GIANT、IGNITION）　担当：岡崎　進教授（名大）・水谷　文保氏（分子研）
今回は第１回目として、「RISM/3D-RISM」のソフト講習会を行います。

参加費　無料

連絡先　米沢　東夫　　TEL.0564-55-7464　　FAX.0564-55-7025

Email:nanogc1(at)nanogc.ims.ac.jp
迷惑メール対策のため、メールアドレスの(at)を@に置き換えてください。 (Please use at sign instead of (at).)

URL:http://nanogc.ims.ac.jp/nanogc/index.html

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