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Vol. 61 No. 1(通巻353号)記事一覧

解説

Snake Cube Puzzleとタンパク質フォールディング
郷 信広

27個の小立方体を蛇のように一列につないだ鎖を3×3×3の立方体に折りたたむパズルは,実はタンパク質フォールディング問題を研究する良い理論模型である.この理論模型をさらに拡張することにより,フォールディングの仕組みを説明する整合性原理に半定量的例証を与えることができた.

総説

Clポンプロドプシンの分子機構とH+ポンプへの機能変換
菊川 峰志

光駆動型Clポンプであるハロロドプシンの分子機構とともに,シアノバクテリアから見出された新規Clポンプの分子特性を紹介する.後者のClポンプは,H+ポンプから機能分化したものの,まだClポンプとしては成熟していないように思えるポンプであり,僅か1残基の置換でH+ポンプとして機能し始める.

流体模型で明らかになる繊毛虫の機械受容と応答システム
大村 拓也,西上 幸範,市川 正敏

水中に生息する微生物の一種,繊毛虫の多くは効率的に栄養分を得るため,池の底,水草の表面といった固液境界面に集まってくるが,その集積メカニズムは不明であった.我々は顕微鏡観測で新奇な繊毛の機械受容と応答を見出し,流体模型からその応答システムと細胞形状が繊毛虫の集積に大きく寄与することを明らかにした.

トピックス

繊毛ダイニン軽鎖と重鎖微小管結合部位の複合体構造
―見えてきた軽鎖LC1の役割―

八木 俊樹,戸田 暁之,市川 宗厳,栗栖 源嗣

ダイニンは重鎖,中間鎖,軽鎖からなる巨大な複合体である.軽鎖の多くは,重鎖尾部に結合してそのターゲティングに寄与するが,モーター活性をもつ頭部に結合する珍しいタイプも知られている.私たちは最近,軽鎖LC1がγ重鎖の微小管結合部位に結合して,その微小管結合性を変調するスイッチとして働く可能性を示した.

単一分子蛍光分光で見える光合成アンテナ系の揺らぐエネルギー移動経路
柴田 穣

エネルギー密度の低い太陽光エネルギーを濃縮するアンテナ系は,効率よく光合成を営むのに必須である.しかし,天然の光合成アンテナ系では光捕集効率を最適化する漏斗状エネルギー地形とはなっていない.ある程度平らなエネルギー地形で,揺らぎを利用して光エネルギーを集めるアンテナ系の設計思想について議論する.

統合情報理論を用いた鮎の群れの中の因果構造の分類
新里 高行

統合情報理論は近年脳科学で注目される意識の理論だが,その本質は内的な因果構造の解明であり,様々な生命システムへと展開されるべき理論である.本稿では,鮎の群れに統合情報理論を適用した結果を報告する.我々は2匹から5匹程度の小さな群れにも,サイズに応じた様々な因果構造があることを明らかにした.

理論/実験 技術

表現型システムの生物物理
鈴木 誉保

生物の表現型(かたち,行動,生活史など)に共通原理・普遍法則はあるだろうか?本稿では,個別論を排した表現型システムの記述体系にかんする研究を解説する.特に,表現型の進化を系統樹上の確率過程とみなして,表現型の複数の要素が順序立てて組み合わされていくマクロ進化を解析する数理手法の解説をする.

部位特異的in vivo光架橋法を応用したPiXie法による細胞内タンパク質の迅速な相互作用・フォールディング解析
宮崎 亮次,森 博幸,秋山 芳展

生きた細胞内でタンパク質の分子動態を解明することは,細胞機能を理解する上で極めて重要である.我々は,高空間分解能でタンパク質相互作用を解析できる部位特異的in vivo光架橋法を改良し,細胞内での迅速なタンパク質相互作用動態を解析可能な手法(PiXie法)を構築した.この手法と適用について概説する.

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