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Vol. 64 No. 2(通巻372号)記事一覧

巻頭言

解説

膜のない細胞内小器官の謎に迫る
藤原 奈央子,廣瀬 哲郎

膜に囲まれない細胞内区画である非膜オルガネラ(MLO)は,様々な生体反応を制御している.本稿では,MLO 形成の駆動力である相分離のメカニズムと,MLOの作動機序について概説し,代表的なMLOの構造と機能を個別に紹介する.また,MLOと疾患との関連や治療標的としてのMLOの可能性について解説する.

クロマチン運動がつくるゲノム立体構造
藤城 新,笹井 理生

測定技術の進歩により,クロマチンは細胞の中で大きく揺らぎながら階層的な構造をつくることが明らかになった.これらの構造はDNA機能と密接に関わるため,構造形成の物理的原理を解明することが重要である.間期のヒト細胞の全ゲノム立体構造を表す計算モデルの試みを紹介し,クロマチンの動的な構造について解説する.

総説

力学-生化学シグナルの時空間パターン形成と集団遊走
日野 直也,平島 剛志

上皮細胞の細胞集団遊走過程で,ERKというキナーゼの活性は集団を牽引する先導細胞では常に高く,後続の細胞では細胞間で波のように伝播する.本稿では,この時空間パターンが細胞接着を介した物理的・機械的刺激によって形成され,先導細胞形成と後続細胞間コミュニケーションを制御することを紹介する.

Negative Fragmentation Approachと密度汎関数法で迫るヘリックス構造における主鎖水素結合エネルギー
近藤 寛子,鷹野 優

水素結合はタンパク質の二次構造形成において必要不可欠な要素の1つである.我々の研究は,ヘリックス中の水素結合は単離されたものと比べて不安定であることを明らかにした.この不安定化は,水素結合のドナーおよびアクセプターが隣接するペプチド基の影響で脱分極することに起因している.

トピックス

ヒストンH3リジン27クロトニル化はクロマチンにおける遺伝子転写抑制を媒介する
小沼 剛

細胞周期の制御因子p21のプロモーター領域でヒストンH3の27番目のリジンが,アセチル化やメチル化ではなくクロトニル化されていた.GAS41がクロトニル化リジンを認識し,MYCや転写抑制複合体SIN3a/HDAC1と協働的にp21の発現を抑制し,その結果としてがん細胞が増殖する分子機構を紹介する.

糸状菌のライフサイクルにおけるダイナミックな生体膜組成変動
岩間 亮

糸状菌(カビ)は長い糸状の細胞形態を特徴とする真核微生物であり,有用・有害の両面で人間生活と密接に結びついている.糸状菌の細胞形態がこれら側面に関わり,細胞膜上に細胞極性を決定する因子が局在するが,その基盤となる生体膜組成に関する知見は糸状菌では不足している.本トピックスでは,近年の進展を概説する.

◆理論/実験 技術

光第二高調波(SHG)顕微鏡の構造解析ツールとしての可能性
渡邉 朋信

光第二高調波発生(SHG, Second Harmonic Generation)光は,蛋白質の二次構造を反映する.SHG計測の利点である非侵襲性および非染色を活かせば,溶液中/細胞内での構造動態計測が可能になるかも知れない.SHG顕微鏡の蛋白質構造解析ツールとしての利活用について,最新の試みを紹介する.

ラマン分光フローサイトメトリー
西山 諒,古屋 圭惟,平松 光太郎,合田 圭介

ラマン分光フローサイトメトリーの開発により,従来法では困難であった無標識測定や超多色測定が可能となってきている.本稿では筆者らが最近開発した高速・広帯域ラマン分光フローサイトメトリー法を概説し,無標識での微細藻類分析・分取やラマンラグを用いた超多色測定への応用を紹介する.

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