2026年は釜山で!
高橋 聡
BARドメインスーパーファミリーによる細胞膜の形態形成とエンドサイトーシスおよび細胞外小胞形成
末次 志郎
細胞膜には突起と陥入構造がある.細胞膜の突起および陥入構造は,アクチン細胞骨格とおよそ70種類のBARドメインスーパーファミリータンパク質による脂質膜の微細な鋳型によって造形される.陥入構造は切断され,エンドサイトーシス小胞となり,細胞突起は,切断され,細胞外小胞となる.
内耳の膜電位駆動型モータータンパク質「プレスチン」の構造変化の可視化に成功
桑原 誠
哺乳類の内耳において,モータータンパク質「プレスチン」は膜電位に応答して外有毛細胞を伸縮させることで,音の振動を機械的に増幅していると考えられている.私は今回,電位クランプ蛍光分析法を用いてプレスチンの構造変化を可視化することに成功し,プレスチンの構造変化が外有毛細胞の運動を駆動することを強く裏付ける発見をした.
DNA配列デザインによる反応拡散系のパターン形成プログラミング
安部 桂太,村田 智,川又 生吹
DNAは構成する塩基の配列設計によって様々な反応を実現できるプログラマブルな分子材料として研究されている.本稿では重合反応するよう配列設計したDNAを反応拡散系のプログラムに活用し,生物の発生などで見られるような並列・多段的なパターン形成を実現する人工システムの構築手法について紹介する.
ELASTomics:細胞の力学特性と遺伝子発現の統合解析法
塩見 晃史,金子 泰洸 ポール,西川 香里,土田 新,新宅 博文
著者らは細胞の力学特性である細胞表面張力と遺伝子発現を1細胞レベルで大規模解析することが可能な新規手法であるELASTomics 法を開発した.この方法を用いて老化細胞の細胞表面張力と遺伝子発現の相関を調べた結果,RRADが老化に伴う細胞表面張力の増加を制御していることを明らかにした.
キャリアデザイン談話室(27):自分のやり方で穴を埋める
太田 元規
リレーエッセイ:シン・私が影響を受けた論文(5):カオス力学を基軸にした複雑系脳科学
津田 一郎
第21回IUPAB国際会議報告―第6回と第21回に見る生物物理の半世紀―
永山 國昭,片岡 幹雄
IUPAB京都2024年会議における座談会:我々の生物物理学の次の50年を夢見て(前半)
林 久美子,Gerhard HUMMER,Jerelle A. JOSEPH,Rong LI,永井 健治,大浪 修一,Feng ZHANG
北村 朗,冨樫 祐一,角五 彰,藤原 郁子,小松崎 民樹
支部だより ~関西生物物理学研究会,その後~
冨樫 祐一,中瀬 生彦
若手の会だより ~第64回生物物理若手の会夏の学校開催報告~
柴垣 光希
海外だより ~海外シニアポスドクのススメ~
渡邊 俊介
編集後記
谷口 雄一(会誌編集委員)