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分子研研究会(申請中)「膜タンパク質内部のプロトン透過を考える」

2015年02月06日 会合

協賛:科研費 新学術領域「運動超分子マシナリーが織りなす調和と多様性」
   科研費 新学術領域「理論と実験の協奏による柔らかな分子系の機能の科学」
世話人:神取秀樹、難波啓一、北尾彰朗、飯野亮太

日時:2015年4月20日(月)9時〜21日(火)17時
場所:岡崎コンファレンスセンター 大会議室

研究会の目的:
 細胞内外のプロトン濃度勾配(pH差)や膜電位差による細胞内へのプロトン移動は
 生命活動の駆動力となる。生体膜はプロトンを透過しないが、生物は特殊な膜タン
 パク質を使ってプロトンを透過させることでATPが合成され、イオンや低分子やタン
 パク質が輸送され、べん毛モーターが回転する。このような膜タンパク質の中には、
 プロトンの代わりにナトリウムイオンを輸送する分子装置も数多く見られる一方、
 プロトンだけを選択的に透過させるものもある。さらに水チャネルは水分子を流す
 もののプロトンは透過しない。構造生物学の進展により膜タンパク質の内部構造が
 次々に明らかになる中、生命に必須の膜内プロトン透過を理解できる基盤はできて
 いるように思える。

 しかしながら、膜タンパク質内部のプロトン透過は実はほとんどわかっていない。
 例えば、これらのタンパク質を研究する生命科学者の多くは、プロトン透過が
 Grottuss機構によるものか、H3O+が実際に輸送されるのかあまり意識していない
 のが現状である。また、最も理解の進んでいる膜タンパク質・バクテリオロドプシ
 ンにおいても、このタンパク質は光駆動外向きプロトンポンプではなく、内向き水
 酸化物イオン(OH-)ポンプであるという仮説は否定されていない。

 本研究会では、プロトン透過に関わる膜タンパク質の構造解析・機能解析を行う実
 験研究者と膜タンパク質内部でのプロトン透過に興味のある理論研究者が一堂に会
 し、真の理解に向けた交流の機会を提供する。

討論内容:
 チャネル(プロトン、ナトリウム、カリウム、水など)、トランスポーターやべん
 毛モーターなど、膜タンパク質の内部をイオンが透過する分子装置を理解するため
 の討論を行う。特にプロトン透過の問題を中心的に議論する。研究会においては、
 研究成果の単なる発表ではなく、議論を深め、分野の異なる研究者の相互理解が達
 成されるよう試みたい。

プログラム:
 4月20日9時~
 セッション1 チャネル型経路のプロトン透過
 (ディスカッションリーダー:難波啓一、北尾彰朗)
 話題提供者:
  神取秀樹(名工大)、平田文男(立命館大)、藤吉好則(名大)、
  安井正人(慶応大)、岡村康司(阪大)、中川敦史(阪大)、老木成稔(福井大)、
  古谷祐詞(分子研)、吉田紀生(九大)、伊藤政博(東洋大)、北尾彰朗(東大)、
  難波啓一(阪大)
 16時35分〜 ポスターセッション
 18時30分~ 交流会

 4月21日9時~
 セッション2 トランスポーター型経路のプロトン透過
 (ディスカッションリーダー:神取秀樹、飯野亮太)
 話題提供者:
  林 重彦(京大)、神山 勉(名大)、井上圭一(名工大)、小倉尚志(兵庫県大)、
  月原冨武(兵庫県大)、重田育照(筑波大)、飯野亮太(岡崎統合バイオ)、
  村田武士(千葉大)、杉田有冶(理研)、塚崎智也(奈良先端大)、
  濡木 理(東大)、池口満徳(横浜市大)
 16時25分~ 総合討論
 討論参加者:
  秋山 良(九大)、北川禎三(兵庫県大)、鷹野 優(阪大)、本間道夫(名大)、
  宮田真人(大阪市大)、吉田賢右(京都産大)

参加費:無料
参加申込方法:
 事前申込みは不要です。
 交流会参加を希望される方は、3月末日までに本ページ下部連絡先メールアドレス宛
 にご連絡ください。交流会費は学生 2,000 円、学生以外 6,000 円。当日、受付で
 お支払いください。

ポスター発表申込:
 3月20日までに、発表者の氏名と所属を明記の上、A4で1ページの要旨(pdfファイル
 を推奨)を本ページ下部連絡先メールアドレスまでお送りください。

連絡先:
 分子研研究会(申請中)「膜タンパク質内部のプロトン透過を考える」
 事務局

Email:ims.meeting.kandori(at)lab-ml.web.nitech.ac.jp
迷惑メール対策のため、メールアドレスの(at)を@に置き換えてください。 (Please use at sign instead of (at).)

URL:http://obtrc.web.nitech.ac.jp/proton2015



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